地域医療を支える薬剤師として
大本さんは徳島文理大学を卒業後、病院薬剤師として約10年間勤務。治療方針や検査、疾患そのものについて深く学べる病院での経験を通して、医療の知識を広げてきました。
その後、医師からの声掛けをきっかけに、調剤薬局へ転職。現在はエスマイルの明神町薬局で薬局長を務めています。
在宅医療や地域に根ざした活動を通じて、患者様だけでなくご家族との信頼関係も築きながら、薬局の外へも積極的に関わる姿勢を大切に、医師やケアマネージャーと連携し、生活背景に即した提案を行うなど、「地域医療の一員」としてのやりがいを感じながら働いています。
なぜ調剤薬局の薬剤師という仕事を選んだのでしょうか?
もともと理系科目が得意で、英語や数学、化学が好きだったんです。明確なきっかけがあったわけではないのですが、親から「薬剤師はいい職業だよ」と勧められたこともあり、自然と薬学部への進学を目指すようになりました。
当時は今のように薬剤師の働き方が多様化していたわけではなく、調剤薬局の数も少なくて、薬剤師の仕事についてのイメージは漠然としていました。薬の研究や開発をする職業、というような印象を持っていたくらいです。大学を卒業後は、薬についてだけでなく、病気や治療の知識をより深く学びたいと思い、まずは病院薬剤師として働き始めました。約10年間勤める中で、抗がん剤や特殊な治療薬にも関わることができ、大変ながらも勉強になる毎日でした。
そんな中、病院の先生から「新しく立ち上げる薬局に来てほしい」と声をかけていただき、調剤薬局への転職を決意しました。実際に働いてみて、調剤薬局だからこそできる、患者様やご家族とじっくり関係を築いていける働き方に魅力を感じ、今ではこの道を選んでよかったと感じています。
就職活動の際、特に重視した条件などはありますか?
調剤薬局へ転職する際に重視したのは、自分の生活に合わせた働き方ができるかどうかでした。子育てと両立しながら長く働ける環境であること、そして地域医療に貢献できる仕事がしたいという想いがありました。スマイルは、在宅業務にも関われて、勤務時間の相談もしやすい。そうした柔軟な体制があることが、最終的な決め手になりました。
調剤薬局へ就職した直後の思い出はありますか?
入社直後は、病院勤務から調剤薬局へと環境が大きく変わり、新しい業務に戸惑うことが多くありました。特に、調剤報酬の仕組みや、医療事務的な業務まで薬剤師が対応することに驚きました。病院では事務スタッフが行っていた処方入力や保険点数の計算なども、薬局では薬剤師が関わることが多く、最初の1ヶ月間は別の店舗で研修を受けながら、業務を覚えることに必死でした。
また、調剤薬局では患者様との距離が近く、病院とは異なる形でのコミュニケーションが求められます。服薬指導だけでなく、患者様の生活背景や服薬状況を把握し、細やかなアドバイスを行うことの重要性を実感しました。最初は戸惑うこともありましたが、周囲の先輩薬剤師が丁寧にサポートしてくださり、徐々に自信を持って対応できるようになりました。
調剤薬局のお仕事の中で、特に力を入れている、大切にしていることはなんでしょうか?
患者様とのコミュニケーションを何より大切にしています。特に在宅医療を担当する中で、薬の管理だけでなく、患者様やそのご家族との信頼関係を築くことが重要だと感じています。在宅訪問時には、薬の飲み方や副作用のチェックだけでなく、生活環境や食事の状況も把握するよう心掛けています。
例えば、遠方に住むご家族が心配している場合、訪問時の様子を電話で伝えたり、服薬状況を詳しく説明することで、安心していただけるよう努めています。患者様自身が不安を抱えている場合には、じっくりと話を聞き、必要に応じて医師やケアマネージャーと連携を取ることで、より良い医療サポートを提供できるよう工夫しています。
調剤薬局のお仕事の中で大変だと思うことはありますか?
調剤薬局の仕事は、時間の制約がある中で正確な調剤と患者様への対応を両立させなければならず、日々忙しさを感じることもあります。特に在宅訪問を行う場合、外来業務をこなしながら訪問スケジュールを調整する必要があり、効率的な業務管理が求められます。
また、在宅の患者様の中には、薬の飲み忘れや誤った服薬をしてしまう方もいるため、ご家族の協力を得ながら適切な服薬指導を行うことが欠かせません。訪問のたびにお薬カレンダーの使用を促したり、服薬時間ごとに薬を分けるなど、個々の患者様に合わせた対応を行っています。こうした細やかな対応を継続することで、患者様の健康管理に貢献できることにやりがいを感じています。
大本さんにとっての「薬剤師のやりがい」はなんですか?
患者様やそのご家族から「ありがとう」と言われる瞬間が、最も大きなやりがいを感じる瞬間です。特に在宅医療を担当していると、患者様の生活そのものに関わることが多く、日々の小さな変化に気づくことができます。患者様が「お薬が飲みやすくなった」「体調が良くなった」と話してくださると、薬剤師として役立てたことを実感し、励みになります。
また、長く関わっている患者様とは、まるで家族のような関係になることもあります。患者様の変化をすぐに察知し、適切な対応をすることで、健康管理の一助となれることに大きな喜びを感じています。
「やりがい」に関して、特に印象に残っているエピソードなどございますか?
ある在宅の患者様が、複数の病院から処方された薬を適切に管理できず、飲み間違いを繰り返していました。そのため、医師と相談し、処方薬を一本化することを提案しました。結果として、服薬管理がスムーズになり、ご家族から「薬が分かりやすくなり安心した」と感謝の言葉をいただきました。
また、訪問時に患者様がご自身の体調について不安を抱えていることに気づき、医師に連絡を取ったところ、早期の治療につながり症状が改善したケースもありました。このように、患者様に寄り添い、必要なサポートを提供することが、薬剤師としての大きな役割だと改めて実感しました。
エスマイルさんで働く魅力はなんですか?
エスマイルは、働きやすい環境が整っており、スタッフ同士の相談がしやすい点が大きな魅力です。在宅医療を担当するにあたって、他の薬局スタッフや医師、ケアマネージャーとの連携が必要になるため、チームで動きやすい環境が整っていることは大きな強みだと感じています。
また、産休・育休が取得しやすく、復帰後も時短勤務が可能なため、家庭と仕事を両立しながら働けることも魅力の一つです。私自身も子育てをしながら仕事を続けており、周囲のサポートに助けられながらキャリアを築くことができています。エスマイルは、地域医療に貢献しながら、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる環境が整っている会社だと感じています。
いま力を入れて取り組んでいることや、今後チャレンジしてみたいことはありますか?
現在は管理薬剤師として、薬局の運営が円滑に進むよう業務全体のバランスを取ることを意識しています。在宅対応の合間を見て外来に出るなど、日々変化する状況の中で柔軟に動けるよう工夫しています。患者様への対応だけでなく、スタッフが働きやすいような声かけや業務の調整も心がけています。
また、福山市が運営する夜間診療所での対応にも継続して取り組んでいます。感染症の流行期には不安もありましたが、感染対策や他の先生方の診療方針など、多くの学びがありました。地域医療の一端を担う場所として、今後もこうした場で自分にできることを続けていきたいと考えています。
叶えたい目標やご自身の将来像などお聞かせください
今後は薬局の枠にとらわれず、地域医療により広く貢献できるような活動にも携わっていきたいです。たとえば、地域で開催される子ども薬剤師体験のようなイベントや夜間診療所での業務など、薬局を飛び出して地域とつながる機会をもっと広げていけたらと考えています。薬局に来る人だけでなく、地域の多くの方にとって「頼れる存在」と思っていただける薬剤師になりたいです。
また、これまでの経験を活かし、後進の育成にも力を入れていきたいと思っています。若い薬剤師の皆さんが、自信を持って患者様と向き合えるように、相談しやすい雰囲気づくりやサポートに努めていくのも、今後の目標のひとつです。
最後に、現在就職活動で悩みを抱えている方へメッセージをお願いします
病院薬剤師としての経験を経て、地域に密着した薬局運営を担う大本さん。調剤薬局に転職後は、在宅医療にも積極的に取り組み、患者様やご家族にとって“身近で頼れる存在”となることを大切にされています。
地域のかかりつけ薬剤師として、日常生活に寄り添うサポートを心がけながら、スタッフの働きやすい環境づくりや業務効率の改善にも力を注ぎ、管理薬剤師としての責任を果たしています。
家庭と仕事を両立できるエスマイルの柔軟な勤務体制の中で、自身のキャリアを継続しながら、後輩の育成や地域活動にも意欲的な大本さんの姿勢は、薬剤師として“地域で働く”魅力を体現していると感じられました。
エスマイルは、2025年1月時点で中国地方に110店舗以上を展開する地域密着型の調剤薬局です。新卒薬剤師が安心して成長できるよう、充実した研修制度と手厚いフォロー体制を整えています。
患者様一人ひとりに寄り添う丁寧な服薬指導ができる環境があり、自らの専門性を高めながら長く働けるのが魅力です。
自分に合った職場かどうかは、実際に見てみないとわからないことも多いです。私自身も病院から調剤薬局に転職する際は不安もありましたが、今では地域医療や在宅医療に携わる毎日がやりがいになっています。
エスマイルでは、子育てと両立しながら管理薬剤師として働ける柔軟な体制が整っており、「こんな働き方ができるんだ」と実感しています。就職活動では、制度だけでなく「実際にどんな人がどんなふうに働いているか」にも注目してみてください。そして、自分が将来どうありたいか、そのイメージに近づける職場を見つけてくださいね。